皆さま、こんにちは。
ジャーナルをお読みくださり、ありがとうございます。
今日は、R ETHICAL を始めることになったきっかけを、ひとつの出来事とともにお話しします。
ジュエリーは、日常の光のようなものです。
白いTシャツにそっとバングルを添えたり、黒いドレスに小さな石をのせたり。
手に触れ、目がとどまるたび、静かな余韻が広がります。
上質な素材は、時を経ても佇まいを変えません。
記憶や気配とともに、ただそこに在り続けます。
R ETHICAL を立ち上げる前、
スイスのプライベートバンクで、社会貢献に関わる仕事をしていました。
そこで、世界の貧困、人権、環境の問題を学ぶ中で、ひとつの映像に出会います。
アフリカの金鉱山で、泥に潜りながら採掘を続ける小さな子ども。
当時一歳だった娘と重なり、あまりに悲惨で危険なその姿は、衝撃と共に胸に深く残りました。
安全な場所にいる私に、何ができるのか。
長く問い続ける時間がありました。
調べていくと、金の採掘は、暮らしや環境、未来と密接に結びついていることを知ります。そして煌びやかな世界と裏腹に、多くの社会問題を構造的に持っていることも知ります。
その循環を変える小さな手立てとして、エシカルな素材を選び、ジュエリーに仕立てること。それが、一つの答えとなりました。
素材をフェアに受け取り、日本の職人の手で、永く身につけられるかたちへ。
創業してからの年月は、夢中に時が過ぎていきました。一歩ずつ積み重ねられた時間です。
あの日の少年は、今、どこでどのように暮らしているのでしょう。
その問いは、今も心のどこかにあります。
完全ではなくとも、できることを選ぶ。
小さな光が、また次の光につながっていくことを信じながら。
これからも、R ETHICAL は「美しさとやさしさの循環」を見つめ、歩んでいきます。
R ETHICAL / Founder & Designer Mari Hoshi